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実際に授業を受けてみたところ、情報誌に書いてあることはかなり正確だった。確かに教授の話は難解で、睡魔との戦いだった。なるほど「ドハマリ授業だ」と思った。しかし、転機は間もなくやってきた。
授業内容があまりにも難解だったため、講義終了後、先生をつかまえて質問をしてみた。するとその回答は意外とわかりやすかったのである。それで味をしめ、質問を繰り返すうちにそれが楽しみになっていった。時には時間が足りなくなり、教授と一緒に飲みに行くこともあった。 居酒屋で人生の先輩に聞く話は刺激的だった。

「授業でこういう話をすれば、ずっと面白くなるのに」と思いながらも、先生からさまざまな話を聞くことができた。 一見、興味が持てそうにない授業をしている先生でも、学生が質問をするとわかりやすく面白い話を聞かせてくれる。
よく観察してみると、大学教授という人々は、自分の専門分野について聞かれると、ほぼ例外なく嬉しそうな顔をする。このことに気がついたので、自分のほうから積極的に授業に関与することで、受けている授業が面白くなった。 自分で考えて、自分から動くことの重要性を学ぶことができたのは大きな収穫だった。これで私は大学内という狭い世界から、一歩「社会化」することができた。
「楽勝科目」だけを選んで、楽しいラクな学生生活を送ることだけを考えていたら、こうした成長をすることはできなかっただろう。 プロになるためのトレーニング不足のまま、いざ就職活動となった時、多くの学生が苦労するのはなぜだろうか。それは、就職活動の時期になるまで、〈ステップ0〉、つまり社会で活躍するプロフェッショナルになるためのトレーニングをしていないからである。
確かに、大学に「所属」するための勉強はしてきた。その先には当然のごとく「いい会社」への「所属」が想定きれている。しかし、それは詰まるところ「所属」するための勉強であるから、プロフェッショナルになるためのトレーニングとは大きく異なる。 就職活動の〈ステップ0〉は生まれた時から始まっている。にもかかわらず、自分の持って生まれた強みや才能を育み、人間としての力を高めていくべき大切な時期に、多くの子供たちは受験勉強という暗記我慢大会に時間を使っている。
社会で活躍するために本当に役に立つ力を伸ばす機会がないまま大学に入ってくる。 就職活動という、大学生活とはまったく違うパラダイムの中で苦労している学生を見ていると、そのことがよくわかる。

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